• 新規事業実務研究会 事務局

私たちの新規事業開発理論について

 新規事業実務研究会における事業開発理論はステージゲート法というものをベースにしています。ステージゲート法は、もともとはアイディアを絞り込んでいくロジックです。もちろん、これにより成功確率は高くなりますし、事業への経営資源(ヒト、モノ、カネ、時間、情報など)の無駄な投資や投資の失敗を防ぐことができます。

 しかし、私たちアルゴマーケティングソリューションズのコンサルティングチームは、これを「事業を絞り込みのロジック」ではなく、「事業を育てるロジック」として、企業内の新規事業開発やスタートアップ企業向けに最適化していきました。その背景には、アルゴマーケティングソリューションズのコンサルタントの中に実際に企業内のベンチャー企業をやってきて、ステージゲート法での絞り込み(=どの時点で事業撤退するか見極めること)を経験した者がいるからです。

 本来のステージゲート法を勉強し、実務にこれを活用していく人は、企業の中で事業を実際にやっている人ではなく、事業をやっている組織を管理している人たちであることが多いと思います。部署でいえば、経営企画部門や財務部門、新事業管理部門といったところになるでしょうし、独立系ベンチャー企業の場合であればファンドを管理しているVCの人たちがそれにあたるでしょう。あるいは、M&Aの際に事業を買う側の意志決定組織が、かなりの初期段階での判断に使われるかもしれません。

 一方で、本来のステージゲート法を使ってその判定を受ける人たちがいます。実際に事業をやっている組織です。こちら側の立場になったらどうでしょうか。想像してみてください。自分たちが事業の将来を信じて、日々血と汗を流して、顧客に頭をさげてさげてさげまくって、工場の油臭い中、夏の暑さにも冬の寒さにも耐え、やっとの思いで動き出したこの事業。あるとき、いろいろな部署のよく知らない担当者で、おそらく今まで生まれてこの方人に頭をさげたことがないのではないかとで思ってしまうような人から、どういう基準なのか理解できないままチェックされて、あれはダメだ、これはダメだと判断されてしまう。このままでは事業を進められない……。

 監査を受けるときの心境に似ていますが、監査の場合は財務監査とか工場監査とか目的が明確ですし、それを通過するために準備をするのでかえってそれが事業を進化させることにもなります。また監査は比較的一般的なものとして、仕方ないこととして受け入れられますが、ステージゲート法で事業性をあらゆる面からチェックし、場合によっては投資を止めると言われた日にはおだやかではありません。

 前述の想像シーンを実際に経験した側としては、ステージゲート法なんて「くそくらえ」(このような表現で失礼いたします)と本気で思っていました。しかし、実はこのステージゲート法の細かな項目はよくできています。事業をやる上では真っ当で「ごもっとも」な内容なのです。そこで、逆手にとってアレンジし「事業を育てる」武器にしたのが、アルゴマーケティングソリューションズが行うステージゲート法なのです(わかりやすくアルゴ流ステージゲート法とよびます)。

 つまりアルゴ流ステージゲート法を役立ててもらえそうな、対象となる人たちは、管理する組織ではなくて、実際に事業をやっている組織の人たちなのです。この立ち位置の違いが、もともとのステージゲート法とアルゴ流ステージゲート法の大きな違いです。事業を管理する側から見たら「事業の絞り込み」のために使いますが、事業をやっている側からみれば「事業が切り捨てられないため」に使うのです。

 事業の各ステージごとにやるべきことを認識して、自分たちの事業をそこにあてはめたとき、いかにそれに的確な答えを持っていないかということに気づきます。このことがまさに大切なのです。事業をやっている側からしてみると、外部のいわゆる“頭でっかち”な人にいちいち言われなくても自分たちのできていないこと、弱点は実は知っているのです。でも「知っている」ことと「理解している」ことと「対処している」ことは全然違います。

 事業を運営するスピードは、日本が高度成長期に入るとき、つまり今問題になっている事業承継で今の経営者の方々が事業を始めたときと、今とでは全く違います。弱点は即対処しなければ、あっという間に競合やその他周辺の問題でやられてしまいかねません。弱点の把握がずれていたり、不明確であったりすると、その対処もずれるかあいまいになります。おおよそ対処したという程度では、もしかしたらあと一歩のところのほころびが致命的なものになるかもしれません。だから可能な限り早く的確に弱点を把握し、課題として明確にしておくこと、さらに適切な対処をすることが必要なのです。その際にこのアルゴ流ステージゲート法を使うと、明瞭かつコンパクトにそれが可能になります。

 実際にはこういったことをやったことがない人にとっては、ちっともコンパクトではないかもしれませんが、たとえば中期経営計画を策定するコンサルティングをしっかり受けるとなると、それだけで気の遠くなるような作業が待っていたりします。それに比べれば、ステージゲート法は肝の部分を全部カバーしながら本質的なところを描き出しますので、非常に効率的です。そしてこれはいろいろな場面で使えるのです。事業全体を見渡して事業計画をしっかり作っていくプロセスにももちろん使えますし、その事業計画の出発点になる売上計画を策定するベースとしての販売戦略構築の際にもこれを応用できます。

 ステージゲート法はアメリカでは、事業の「絞り込み」として身近な手法のようです。数百もある事業アイディアから絞り込んでいくという流れは、ある一定規模以上の大企業に適したものだと思います。アルゴマーケティングソリューションズでは、もっと小さい事業単位での事業開発プロセスにこれを応用していきたいと考えています。新規事業が日本でもっとたくさん生まれ、強い企業、息の長い企業に育っていく新しい時代の到来を予感しています。

 「一緒に事業を考えてみたい」「事業を育てるステージゲート法を学びたい」と思った方は、ぜひご連絡いただければと思います。私たちと一緒に新規事業で、成果を目指しましょう。

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