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ステージゲート法は共感を得るためのプロセス

ステージゲート法は、事業開発をするプロセスをいくつかのステージ分けて、ステージとステージの間にゲートを設けてそこで次のステージにいくのか、今一度ステージの完成度をあげるのかを考えるやり方です。 私たちはこの理論を実際にある企業の新規事業に応用しました。


製造業で100億円規模の事業にするには、設備投資の意思決定が避けて通れません。いきなり大規模な投資をして回収できなくなってドツボにはまるのではなく、階段を一段づつ上り必要になれば必要な投資をしていくべきです。これは誰もが考えますが、特に企業の上層部の方々はそう考えます。もしあなたが何かすでに事業で大成功して有り余るお金を持っていてそして今何か新しい事業を始めようということであれば、いきなり「えいや」とお金を投じるかもしれません。しかし、企業の中の新事業の場合、投資の元になっているお金は企業のお金であり、株主のお金であり他の従業員の方々、先輩方が血と汗で稼ぎ出したお金なのです。それを現在の経営者はいかに無駄にしないで未来につなげなければならないのです。そして企業の経営者は一人ではないのです。事業企画、営業、管理、生産、財務、いろいろな観点から考えられていて、一人の人のミスリードを防ぐ仕組みになっています。たとえ社長と言えども、周囲の反対を押し切って一人だけの意見で勝手に進めるわけにはいかないのです。


  したがって、このケースの場合には、それぞれのステージを通過する際に3段階のまとめプロセスがありました。第1段階は事業レベルです。これは当然ながらきちんと事業ができているのかと言う点が主題になりますので、売上と利益が計画どおり推移しているかというところがゴールになります。しかし新規事業の場合、そんなに簡単に計画どおりいきません。いろいろな想定外のことが発生します。それでも、計画と実績の差異がどのようになっていて、そのギャップを埋めるためには何をするのかが明確に説明できなければ、次のステージには行くことができないのです。「やってみたらこうなってしまったのだから仕方がないじゃないですか」という説明は最悪です。誰もそんな説明は合意しません。事業を行うことで発生した問題点を課題設定し、その課題に対してどのような対応策をするのかということがクリアに説明できることが求められます。


  それができたら第2段階として役員レベルになります。今度はその事業がどのように全社に影響を与えるのかということが主なポイントになります。つまり事業としてきちんとやっていることは当たり前なのです。ここでの影響というのは多くの場合リスクのことです。どういうリスクが洗い出されて、そのようにマネジメントされているのか、それがその事業の詳細内容、業界など全く知らない役員に説明しなければなりません。ここで第2段階のビジブル化が求められています。


  そして第3段階では、いよいよ投資の意思決定です。何をどうするために、いつまでにどのぐらいの金額の投資をしたいのかということが明確に描かれていなければなりません。まさにここではポーカーのブラフ合戦で掛け金をつぎ込むような真似はできません。上記事例の場合には、この段階には審議会と言う形になり、その場では答えが出ず別途審議メンバーが内容を審議し、結果がフィードバックされるという形でした。


  ビジネスのスピードは、以前にくらべて著しく早くなっています。日本企業は意思決定が遅く、グローバルの競争の中で勝てないと言われています。確かにシリコンバレーにいると、物事の決定が非常に早く、その決定を受けたあとのアクションもものすごい速さで行われるのを感じます。それに比べると日本は本当に意思決定が遅いと思います。しかし、それはやり方の違いであり、そのやり方に対応して事業を進めなけれならないのです。


  私は実際に事業をやってきました。100のことが事業に存在していたとしたら、半分以上の60ぐらいは不条理、不可解、不愉快なことです。でも私のミッションは文句を言うことでありません。問題点をまとめて政策提言することでもありません。私は日々「事業を推進」しなければならないのです。そのためには意思決定される仕組みを熟知し、そこに適切な手法を講じて結果を得なければなりません。方法論はたくさんあります。料亭で秘密裏に決めてしまうというのも一つの方法だと思います。しかし、私はすべてをビジブルにして多くの関係者にいかに短時間に効率よく理解してもらい、共感をもらい、結果を得るかということを重要視しました。そのプロセスこそがステージゲート法なのです。(S. Takita)